浮遊映像表示モニターフローティングビジョン
FV-01
価格 : 49,800 円(税込)
在庫 : ○
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落語に、「あくび指南」という話がある。あまりにもバカバカしいので、寄席
ではあまり聞いたことがないが、いかにも落語らしいネタとして有名な噺だ。
江戸時代は、さまざまなお稽古事がはやり、その中に、「あくび」のしかたを
教える教室があった、という設定だ。
誰でもできるようなことをわざわざ教える、という意味で、なかなかシュール な話にも思えるが、初めてこの話を聞いたときほどは、今はバカバカしく思わ ない。なんとなく、胸苦しかったり、息苦しかったり、という今こそ、あくび のしかたを指導してほしいものだ。
正しいあくびのしかたを覚えれば、たいていの不安や困りごとは飛び去ってし まう。じっさい、スポーツクラブでは「呼吸法」の教室があるし、「歩き方」 教室や、「青竹踏み」講座も、ずいぶん前から大人気だ。
一分間に、120字ほどは文章を書くことができる筆者のように、何十万円も機材 の購入に払った上に、独学・自己流でさまざまな技術を使いこなす人間からし てみれば、「ワープロ」や「インターネット」を教える教室があることすらも 冗談のように思える。
字を速くきれいに書くことができず、森羅万象に対する疑問がほとばしるよう に出てくる筆者にとっては、「ワープロ」や「インターネット」は手段でこそ あれ、それ自体は目的となりえない。手段にしか過ぎないこと、無意味なこと をカネを取って教えているのが、おもしろい。
だから80になろうとする父親が、自治体が実施しているコンピュータの無料講 習会を受ける、と言ったときには、単なる時間つぶしとしか思っていなかった。 まさか「八十の手習い」で自分で年賀状印刷までしてしまうようになるとは 思いもよらなかった。
今から数十年前は、確かに、年賀状は、個人であっても印刷屋さんに仕事を出 して、印刷してもらうことは特別なことではなかった。自営業でも、宮仕えで も、取引先や、友人・知人のために、数百枚という年賀状を出すことは特別な ことではなく、筆者の家に来るものもそういうものは多かった。
もちろん子どもたちの年賀状は、圧倒的に手書きか、ゴム版画のようなものが 多かったが。スタンプなどでごまかしてあると、あまりいい気がしなかったも のだ。それでいて、「全面スタンプ」である印刷された年賀状にはある種の憧れ があった。
ところがいまや、家庭用のプリンタで印刷される年賀状は、プロのそれと、な んら変わらないものになった。小学生でさえも、ちょっと前ならば、何十万円 という授業料を納めなければ習得できなかったであろう、写真加工技術なども 簡単に身につけられるようになり、非常に美しいものを作れる。
年賀状やホームページの制作、ビデオの編集や2D(平面)のグラフィック制作 などは、プリンターやテレビモニターを通じて、ふつうの個人が、表現できる 媒体を扱えるから、もはや子どもであれ、アナログ世代といわれる世代の人で あれ、誰ができても驚きはない。
しかし、3D(3次元立体)はちょっと違うと思えている。仮に制作しても発表 するような、場が存在しないと思われるからだ。ところが、多視点カメラを用 いて撮影した映像を特殊なメガネをかけることで立体画像を見ることができる テレビも来年には各社から本格的に販売されるという。
昔はディズニーランドのような大型娯楽施設でしか楽しめなかった「飛び出す 映像」をどこの家庭でも楽しめるようになってくる。今年末には、世界中の3D 映画館は7000に、日本国内でも180館に急増し、まさに、この分野はクリエイ ター注目の土俵である。
発足以来、さまざまな分野のクリエイターを育ててきた、「デジタルハリウッ ド大学大学院」では、「3D立体映像制作プロジェクト」なる講座もスタートし、 立体映像制作のプロの養成も始まった。そうなると、いっぱんのアマチュアが こうしたものの制作に関わるようになるのも、もうまもなくだ。
そんななか、パイオニアでは、フローティングビジョン、というパソコン用の 小さなモニターを販売している。たくさんのニュースの中に埋もれてしまいが ちだが、これはなかなかおもしろい商品だ。
メガネをかけずに、浮かぶような立体映像を見ることができる、というものだ。 引田天功のように、足元に何も無い空中に浮かぶ、というのとちょっと違う。 幅、高さが20センチ弱、奥行き15センチと、ちょっとしたポット(壷)のよう なモニターだが、正しい角度で覗き込むと、なるほど、3Dの立体映像が浮いて いるように見える。
これは開発キットのような位置づけで、だから映像がついてくるわけでもない し、そういう映像サービスを受けられるわけでもない。USBケーブルをつなぐこ とで、パソコンのセカンドモニターとして機能する。画素数640×480、VGAと呼 ばれる画像解像度だ。
このサイズで、3DCGのキャラクタームービーを背景を黒色にして作成すると、 見事に宙に浮いたように見える。画面の前には、センサーがついていて、手を かざすことでインタラクティブに画像を切り替えるというような遊びもできる ようになっている。
ここへきて、急に浸透し始めたデジタルサイネージ(デジタル映像による広報・ 広告)への利用もおもしろそうだ。いささか、無愛想な筐体で、いかにも業 務用的な作りだけれども、使い方を限定するのではなく、素材としてリリース したところが今の時代っぽくて楽しいと思う。
モニターは、縦置き、横置きもできるようになっている。視野角は非常に狭い けれど、メガネをかける必要がないというところが、すでにメガネをかけてい る筆者などにとってはとても楽に感じる。
昔とったなんとか、で、筆者も、3D映像を制作して遊んでみたいな、と思った けれど、なかなか重い腰が上がらない。古いソフトは、手順が面倒だし、新し いソフトはよくわからない。ぜひ、メルマガ読者の作った作品を、見て楽しま せてもらいたいものだ。
あるいは、ちょっと、ゲーム制作などに興味を持っている子どもに渡してあげ れば、きっとなにかおもしろいものを作ってくれるのじゃないだろうか。まだ 誰もちゃんとしたものを作りあげてはいない新しいキャンバス。ちょっと魅力 的じゃないだろうか?
しかし。出来上がった作品を見て、おもしろいと思えるかどうかは、また別の 話だ。それは、「あくび指南」を滑稽だと思えるかどうかと同じような話だ。(了)
フローティングビジョンはパイオニアから発売しております。レビューでも取 り上げられているとおり、すでにある映像を楽しむものではなく、映像を自作 してお楽しみいただくための商品です。一般の3D制作ツールをお使いいただく ことで、浮揚するように見える映像を映し出すことができます。
この商品レビューは、パイオニアオンラインメールマガジン 2009年12月22日号に掲載されたものです。
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誰でもできるようなことをわざわざ教える、という意味で、なかなかシュール な話にも思えるが、初めてこの話を聞いたときほどは、今はバカバカしく思わ ない。なんとなく、胸苦しかったり、息苦しかったり、という今こそ、あくび のしかたを指導してほしいものだ。
正しいあくびのしかたを覚えれば、たいていの不安や困りごとは飛び去ってし まう。じっさい、スポーツクラブでは「呼吸法」の教室があるし、「歩き方」 教室や、「青竹踏み」講座も、ずいぶん前から大人気だ。
一分間に、120字ほどは文章を書くことができる筆者のように、何十万円も機材 の購入に払った上に、独学・自己流でさまざまな技術を使いこなす人間からし てみれば、「ワープロ」や「インターネット」を教える教室があることすらも 冗談のように思える。
字を速くきれいに書くことができず、森羅万象に対する疑問がほとばしるよう に出てくる筆者にとっては、「ワープロ」や「インターネット」は手段でこそ あれ、それ自体は目的となりえない。手段にしか過ぎないこと、無意味なこと をカネを取って教えているのが、おもしろい。
だから80になろうとする父親が、自治体が実施しているコンピュータの無料講 習会を受ける、と言ったときには、単なる時間つぶしとしか思っていなかった。 まさか「八十の手習い」で自分で年賀状印刷までしてしまうようになるとは 思いもよらなかった。
今から数十年前は、確かに、年賀状は、個人であっても印刷屋さんに仕事を出 して、印刷してもらうことは特別なことではなかった。自営業でも、宮仕えで も、取引先や、友人・知人のために、数百枚という年賀状を出すことは特別な ことではなく、筆者の家に来るものもそういうものは多かった。
もちろん子どもたちの年賀状は、圧倒的に手書きか、ゴム版画のようなものが 多かったが。スタンプなどでごまかしてあると、あまりいい気がしなかったも のだ。それでいて、「全面スタンプ」である印刷された年賀状にはある種の憧れ があった。
ところがいまや、家庭用のプリンタで印刷される年賀状は、プロのそれと、な んら変わらないものになった。小学生でさえも、ちょっと前ならば、何十万円 という授業料を納めなければ習得できなかったであろう、写真加工技術なども 簡単に身につけられるようになり、非常に美しいものを作れる。
年賀状やホームページの制作、ビデオの編集や2D(平面)のグラフィック制作 などは、プリンターやテレビモニターを通じて、ふつうの個人が、表現できる 媒体を扱えるから、もはや子どもであれ、アナログ世代といわれる世代の人で あれ、誰ができても驚きはない。
しかし、3D(3次元立体)はちょっと違うと思えている。仮に制作しても発表 するような、場が存在しないと思われるからだ。ところが、多視点カメラを用 いて撮影した映像を特殊なメガネをかけることで立体画像を見ることができる テレビも来年には各社から本格的に販売されるという。
昔はディズニーランドのような大型娯楽施設でしか楽しめなかった「飛び出す 映像」をどこの家庭でも楽しめるようになってくる。今年末には、世界中の3D 映画館は7000に、日本国内でも180館に急増し、まさに、この分野はクリエイ ター注目の土俵である。
発足以来、さまざまな分野のクリエイターを育ててきた、「デジタルハリウッ ド大学大学院」では、「3D立体映像制作プロジェクト」なる講座もスタートし、 立体映像制作のプロの養成も始まった。そうなると、いっぱんのアマチュアが こうしたものの制作に関わるようになるのも、もうまもなくだ。
そんななか、パイオニアでは、フローティングビジョン、というパソコン用の 小さなモニターを販売している。たくさんのニュースの中に埋もれてしまいが ちだが、これはなかなかおもしろい商品だ。
メガネをかけずに、浮かぶような立体映像を見ることができる、というものだ。 引田天功のように、足元に何も無い空中に浮かぶ、というのとちょっと違う。 幅、高さが20センチ弱、奥行き15センチと、ちょっとしたポット(壷)のよう なモニターだが、正しい角度で覗き込むと、なるほど、3Dの立体映像が浮いて いるように見える。
これは開発キットのような位置づけで、だから映像がついてくるわけでもない し、そういう映像サービスを受けられるわけでもない。USBケーブルをつなぐこ とで、パソコンのセカンドモニターとして機能する。画素数640×480、VGAと呼 ばれる画像解像度だ。
このサイズで、3DCGのキャラクタームービーを背景を黒色にして作成すると、 見事に宙に浮いたように見える。画面の前には、センサーがついていて、手を かざすことでインタラクティブに画像を切り替えるというような遊びもできる ようになっている。
ここへきて、急に浸透し始めたデジタルサイネージ(デジタル映像による広報・ 広告)への利用もおもしろそうだ。いささか、無愛想な筐体で、いかにも業 務用的な作りだけれども、使い方を限定するのではなく、素材としてリリース したところが今の時代っぽくて楽しいと思う。
モニターは、縦置き、横置きもできるようになっている。視野角は非常に狭い けれど、メガネをかける必要がないというところが、すでにメガネをかけてい る筆者などにとってはとても楽に感じる。
昔とったなんとか、で、筆者も、3D映像を制作して遊んでみたいな、と思った けれど、なかなか重い腰が上がらない。古いソフトは、手順が面倒だし、新し いソフトはよくわからない。ぜひ、メルマガ読者の作った作品を、見て楽しま せてもらいたいものだ。
あるいは、ちょっと、ゲーム制作などに興味を持っている子どもに渡してあげ れば、きっとなにかおもしろいものを作ってくれるのじゃないだろうか。まだ 誰もちゃんとしたものを作りあげてはいない新しいキャンバス。ちょっと魅力 的じゃないだろうか?
しかし。出来上がった作品を見て、おもしろいと思えるかどうかは、また別の 話だ。それは、「あくび指南」を滑稽だと思えるかどうかと同じような話だ。(了)
フローティングビジョンはパイオニアから発売しております。レビューでも取 り上げられているとおり、すでにある映像を楽しむものではなく、映像を自作 してお楽しみいただくための商品です。一般の3D制作ツールをお使いいただく ことで、浮揚するように見える映像を映し出すことができます。
この商品レビューは、パイオニアオンラインメールマガジン 2009年12月22日号に掲載されたものです。
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